サマーインターンも終わり、秋になると総合コンサルティングファーム各社の本選考が本格化してきます。コンサル志望の就活生はもちろんのこと、総合商社やデベロッパーを目指す学生にとってもここで内定を獲得し、来年春からの選考にはずみをつけたいところ。
今回の記事では、そんな総合コンサルティングファーム(BIG4+アクセンチュア)の本選考情報についてまとめました。
目次
1. 総合コンサルティングファームとは?
2.各企業の選考フロー
デロイトトーマツコンサルティング(DTC)
PwC
KPMG
EY
アクセンチュア
3. ケース面接を攻略するためには
①書籍や動画でのインプット
②周りの就活生、内定者やコンサル企業に勤める社会人との壁打ち
1. 総合コンサルティングファームとは?
総合系コンサルティングファームとは、戦略立案からその実行支援、システム導入、保守運用、業務改善といった包括的なコンサルティングサービスを提供しているコンサルティングファームの総称です。
上図に代表的な総合コンサルティングファームを掲載しています。大きく、会計系のファームとIT系のファームに大別されます。
2.各企業の選考フロー
ここでは、実際に各企業の選考フローについて解説していきます。以下で述べる全てのファームの選考で、ケース面接が課されています。ケース面接とは、実際にコンサルティングの現場で向き合うようなビジネス系のお題に対し、数分の思考時間が与えられ、その後面接官とディスカッションをする形式の面接です。難易度は高いものが多く、対策が必須です。
デロイトトーマツコンサルティング(DTC)
選考フローは、
書類選考 → 一次面接 → 二次面接(ケース面接)→ 説明会 → 三次面接 → 最終面接
です。
特に二次のケース面接が鬼門となっており、出題されるお題も非常に難易度が高いものが多いです。24卒の選考では例として、「私立中高の教員として、生徒全員が1年間で100冊本を読むようになるために、どのような施策を行うべきか考えよ」といったお題が出題されました。
また、二次選考を通過すると、説明会と1000字の小論文の課題が課されます。前者では、DTCの各部署について詳細な説明があり、自分のキャリアパスについて深く考えるきっかけになります。以降の三次面接・最終面接では、パートナーの方から「なぜその部署か?」「どういったキャリアパスを考えているか?」といった質問をされます。したがって、説明会を通じて各部署の業務内容について理解を深めておきましょう。
PwC
選考フローは、
書類選考 → GD → 個人面接(ケース面接)→ 1dayジョブ → 人事面接 → 最終面接
です。
鬼門は1dayジョブとなっており、1チーム5〜6人で5時間ほどのディスカッションを行います。24卒の選考では、「仮想のテレビ局をクライアントとし、新規事業の立案」といったテーマが課されました。弊サロンの内定者は、「グループのメンバーに対しフォローを欠かさないなど、協調性をアピールしたことが合格につながった」と語るなど、コンサルの選考でもチームで働く意識を持って選考に臨むことが重要かもしれません。
KPMG
KPMGの選考の特徴は、なんといっても非常に多彩な選考形式です。24卒では、
書類選考 → 小論文 → WEBテスト(企業オリジナル) → GD → 一次面接 → 最終面接
といったフローでした。
小論文選考は、自分で関心のある大企業について一つ挙げ、KPMGが発表した企業の成長戦略に関するレポートと企業のリスクに関するレポートを参考に、自ら企業の成長戦略を立案する、といった難しい内容になっています。
鬼門となっているのは、企業オリジナルのWEBテストです。この選考では、オンラインでのケース面接が課され、24卒では文章読解4題、資料作成2題、録画プレゼン3題が課されました。時間も110分ととてもタイトとなっているので、要領よく解ける問題から処理していくことが合格の鍵です。
EY
EYの選考の特徴は、GD選考が2回課されることです。実際の選考フローは、
書類選考 → ショートGD → 個人面接(ケース面接)→ ロングGD → 最終面接
です。
ショートGD通過後のケース面接では、他企業ではあまり見られないフェルミ推定が課せられます。24卒の選考では、「映画館の1年間の売上推定」「大型バスの1年間の売上金額」といったお題が出題されました。フェルミ推定選考の通過のポイントは、面接官とのディスカッションです。最初の自分の回答がイマイチでも、面接官の質問や指摘に応じていかに自分の考えをブラッシュアップできるかといった柔軟性が鍵になってきます。
また、鬼門は個人面接を突破した後に行われるロングのグループディスカッション選考になります。ショートGD、フェルミ推定を通過してきた就活生同士でチームを組むため、議論の活発さや内容のレベルも最初のGDとは大きく異なります。チームの中で足りない役割は何かを考え、柔軟に立ち回ることが通過の鍵になります。実際に筆者が選考を受けた際は、グループ内に積極的に議論を進めてくれる方や活発にアイデアを出してくれる方が多かったため、書記として論点を整理しながら議論の内容を適宜補填するという役割に徹したことで、通過することができました。
アクセンチュア
アクセンチュアの選考の特徴は、他のBIG4といった企業と比べて選考フローが短いことです。実際の選考フローは、
書類選考 → GD → 個人面接(ケース面接)→ 最終面接
となっており、早くて1ヶ月程度で内定まで到達できます。
また、ケース面接で課されるお題も、ITに強みを持つアクセンチュアらしくデジタルに関連したものが多いです。例を挙げると、「地方の医療従事者不足を解消するためにデジタス技術を用いた施策を立案せよ」といったお題が課されています。アクセンチュアの実際の事例や最近のニュースなどから、最新のIT技術に対して理解を深めておくことが重要かもしれません。
3. ケース面接を攻略するためには
ここまで各企業の選考フローを解説してきましたが、どの企業もケース面接の出来が合否を左右すると言っても過言ではありません。
そこで、実際に筆者や周りのコンサル内定者が本当に役に立ったと感じるケース面接対策について紹介していきます。
①書籍や動画でのインプット
やはりまずは、書籍を通じてインプットを行い、ケース面接とはそもそもどういうものなのか、どういった観点で評価されるのかについて理解を深めることが大事です。実際に筆者が読んでとても勉強になったと感じた本を紹介していきます。
ロジカルシンキングを超える戦略思考 フェルミ推定の技術
特にEYを受験する方にとっては、必ず読んでほしい1冊です。問題ごとの性質に応じて自然なアプローチをとっており、この本をマスターすれば様々な問題に応用できます。巷で人気な東大生のフェルミ推定ノートより個人的にはおすすめです。
過去問で鍛える地頭力
実際にコンサルの選考で出題された過去問の解説を通して、ケース面接の基礎的なスキルを身につけることができます。優秀な戦略コンサルタントのボトムアップの「思考回路」まで丁寧に解説されており、非常に勉強になることが多いです。
Jobbox - 旧ロジ子の部屋
実際のケース面接がどのように進むのか、理解が深まると思います。動画に出演している方も戦略コンサルティングファームに内定している優秀な方ばかりなので、思考過程や回答の仕方など、非常に参考になる部分が多いです。
②周りの就活生、内定者やコンサル企業に勤める社会人との壁打ち
書籍や動画を通じたインプットでケース面接に対する理解が深まっただけでは、対策は十分とは言えません。実際に選考の中で自分の回答を一から作り上げることができることとはまた別物です。
そこでおすすめなのが、周りの就活生やコンサル企業の内定者、またコンサル会社に勤務する社会人の方とのアウトプットの機会を増やすことです。特に、就活生 < 内定者 < コンサル企業の現役社員 o r元社員の順に得られるフィードバックの質も変わってきます。可能な限り右の割合を増やし、本番の面接官に近い質疑応答を経験する機会を積極的に作っていきましょう!
4.さいごに
ここまで、BIG4+アクセンチュアの選考情報とケース面接の具体的な対策方法について解説してきました。総合商社やデベロッパーを本命としている就活生にとっても、ぜひ果敢に選考に挑戦してほしいです。というのも、コンサル企業の選考で経験したケース面接の対策は、その後の日系企業のGDでも大きく役立つ場面が出てきます。また、この秋〜冬の時期にコンサル企業の内定を獲得しておけば、他企業へ優秀さのアピールにも繋がります。
ぜひ皆さん、コンサル企業の受験も考えてみてください!
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